キツツキ と 雨

キツツキと雨」を見てきたよ。
いっや、おもしろかったー!たのしかったー!岐阜県の山村に映画を撮りにきた頼りない映画監督と木こりが出会ってはじまる、映画ちょっといい話でした。
予告を見てやばいこれ泣くぞ…と思って見に行ったんだけど、それよりも映画を撮ってる人たちがどんどんいい顔になっていくのが楽しくて途中からずっとにやにやして見てました。暗いからわかんないよ!へいきへいき!



木こりの克彦さんが映画製作に引き込まれてく描写がほんとにかわいらしかった。照れくさそうにおずおずと、でも時々大胆に。何かに夢中になるときってあんな感じだよな…。(といろいろ思い出す) 役所さん素晴らしいかったなぁ。監督と木こりのちょっとした会話がまたね、じわりじわりときいてきて良いんです。どうだいいこと言ってんだぜって感じじゃなくて何気なくふんわりしてるのが気持ちいい。村をあげて映画を撮り始めるあたりから村人も撮影隊も楽しそうで、映画の映画っていいねぇ!(僕らのミライへ逆回転思い出した)ゾンビがぞろぞろ出てきたり、竹槍でやぁ!やぁ!ってやってるシーンなのに和やかであったかいギャップがたまんなかったな。カメラマンがそっと口角あげて笑うようになるくだりとか、わかっちゃいるけど…楽しいし。そして…山崎さんのお尻に持病を抱えた大物俳優の演技はもうさすがとしか…見入った!

後半木こりが監督と食事しながら映画監督を目指すきっかけを聞くくだりがあって、そこだけすごく私の生活に重なってどきどきした。監督と同じような事を考えた事があるから素直にじんときた。父親のビデオカメラがきっかけで映画作りを目指した監督は父親がビデオカメラを買った事を後悔してると思ってたけど、私じっさい「絵を習わせたの失敗だったなー」って 冗談で言われたことあるんだ(笑)木こりはきっと嬉しいはずだって言ってたけど、うちの父は今どう思ってくれてるのかなぁ。あの言葉は映画の世界だけど嬉しくてしみたよ…克彦さん。

大きな山を登って降りてまたいつもの平坦な所を歩くけど山を登って身につけたものがあるから平坦な道もちょっと違う、そんな感じが漂う心地よいラストでしたな。エンディングに流れるフィルムがじんわりと余韻を残してくれてとてもよかったなぁ。